2012-01-04

[Lock][,][Stock][&][Two][Smoking][Lifes]


「八月は残酷な季節」そう言ったのは兄だった。
灼熱の大地の前に、人は否が応にも自分の存在を確認しなければならないから。
兄は高校生にしてとても哲学的であったが、哲学特有のニヒリズムの欠片も無く純白な精神を持ち合わせていたと幼かった私は記憶している。私はそんな兄が好きでよくつきまとっていた。
蜃気が黒いアスファルトの道路から沸くあの真夏日。昨日母親が切ってくれていた西瓜を食べようと冷蔵庫に手を伸ばした時、誰かの足が見えた。僕はその足を見て部活からさっき帰ってきた兄がふざけて台所で寝ているのかと思い、あっさりと西瓜の切れ端を手に取ってかぶりついた。甘い感覚が口の中に染み渡る。種を皿に吐き出して、甘味を存分に味わってから、兄の分を取ってあげようと冷蔵庫からまた西瓜の切れ端を取り出した。
ぐるりとテーブルを回り兄の頭がある方向へ向かった。西瓜の切れ端からぽたぽたと雫が落ちる。私は寝ている兄をびっくりさせようとその雫を頭の上から落とした。
兄は起きなかった。私を驚かそうとしているんだな、そう思いながら西瓜の切れ端の先端を兄の頬にピタッと付ける。それでも兄は起きずに安らかな寝顔を晒している。私はあっさりとつまらなくなり居間に戻って再放送のアニメを見た。夏休みの贅沢を存分に味わうことにしか興味が無かった。
その内母親が帰ってきて買い物袋をぶら下げたままキッチンに直行した。もう、こんなとこで寝ないでよ、ほらあ、そう聞こえた。私は西瓜をかぶりつきながらアニメに夢中になっていたのだが、母親の悲鳴が聞こえてきてキッチンの方を振り向いた。慌てた母親が携帯電話で救急車を呼ぶ声が聞こえた時、西瓜の味などまるでしなかったし、そう、あれからだ、私は西瓜を嫌いになった。

 


重度の熱中症で兄がこの世を去ったと父親から聞かされた時、私はこの時点で決意していた。大好きな兄を奪った奴を殺してやろうと心底思った。それから私はこの時を動きながら待って、今その瞬間を迎えようとしている。

 


「歴史的瞬間だな」
禿げ上がりそうな頭を掻きながら中年の男は机に腰を掛ける。
「全ての農作物が屋内で製造できるようになった時点でこうなることが分かっていたのか?」
中年の男は私に質問を投げる。
「いや、それは分からなかったです。しかし温暖化を考えるとこうなってもおかしくはなかったでしょう」
私は前半部分に嘘を通しながら答える。
「お蔭さんでウチの党の支持率も上がっている。つまらない景気低迷を抜け出す法案を通せたのも君の発明のお陰だよ。ネックはあるんだがな」
中年の男はおでこを掻いた。
「今回のことを安保理の議決だけで押し通せたのには何か訳が?」
私は少し立ち入ったことを聞いた。
「オフレコで頼むよ。まあアメリカはNASAを飼ってる、我々はロシアと共に宇宙開発に莫大な金をかけてきた実績がある、中国は設備投資の名目で金を回したがっている。イギリスもフランスも特に反対するべき理由がなかった。我々は常任理事国ではないが、君達を飼っているという理由だけでいいポジションに着くことはできる」
中年の男がハンカチを取り出し額の汗を拭う。
「国連加盟国からはその、何も?」
私は窓の外を一点に見つめる。
「軍を借りることで内外のアピールになるならあいつらは何でもするさ。ゴミ掃除ともなると世界中の軍隊の力が必要になることは君達が一番よく分かっているだろう?」
私は宇宙に散るであろう残骸を回収することになるそれぞれの軍の今からの苦労のことを思うと少しぞっとした。
「なんせ人類の歴史始まって以来、自然に逆らうことになるんだからな。そして自然に逆らうことが人類の繁栄と共存に繋がるのならば、どこの国も黙ったまんまじゃいけないだろ?」
中年の男は少しだけ笑った。
「最初は絶対に不可能だと思ってたよ」
私は中年の男の目を見る。
「どうしてですか?」
中年の男は下を向いたまま言葉を紡ぐ。
「俺も一応理系でね。熱核融合反応を簡単に止めさせることなど出来ないと思ってた。アレの中心は水素とヘリウムを燃料としていて、単に爆発物をぶち込んだだけじゃ中心に辿り着く前に融合反応が起きフレアを起こす。それをまあよくもピンポイントで磁場を起こして重力を操り中心に核をぶち込もうと考えたもんだ」
私は少し黙ることにした。
「まだあるぞ、アレがなくなったら星の序列が重力によってズタズタにされる。最悪惑星同士がぶつかる危険性だってある。それを一蹴し星の並びをそのまま保つためにドイツが開発した宇宙空間で重力を引き起こすあの化け物みたいな装置を実用化して宇宙へ上げようと提唱したのも君だったなそういえば」
「ええ、まあ、破壊後の問題を解決したのは各国の軍関係者と学者達ですけどね」
私は空に伸びていく一筋の光を見た。

 

私はこの文章を読んでどうしたものかと眉を上げ下げする。

「続きが書けない。あんたbloggerでしょ?この後どうするかなと思って」

知人のスナックガール(というのも似合わない三十路)からなぜか俺に持ち込まれた文章を読んで新年一発目の難題が訪れたと分かった。リアリズムを追求するのなら、この後太陽がなくなり、地球上に光が無くなり、人類は死滅するオチをつけることができる。しかしこれはSFなので、人工太陽をぶち上げて復讐を果たした主人公が満足するオチ、または満足しないで人類皆殺すオチ、等々様々なオチが考えられるが、これは女性からの質問だ。慎重に、彼女が思った通りの答えを提示しなければならない。正に難題。脳みそフル回転で俺のミライを逆回転させ答えを導きださなければ。

少林寺木人拳...四丁拳銃...キレキレの日本刀...Saints...改造された内閣...メタルウルフカオス...無敵の大統領...スタローンは死んでいるか...」

「無理だろそれ」

学がなく頭も悪い私を見透かす彼女のスナックコミュニケーションで鍛えられた眼が光り口が動く。私は煙草を取り出し一服。ランダマイズされたドラムンベースビートを足疾に頭の中で鳴らし現実から逃げることを考える。

「じゃあ、そん時ちょうど日食で、間違って月に核当たっちゃったとかどう?」

「んー悪くない」

私の頭の中の消しゴムがどんどん動きどんどん消してマリオペイント並の雑さを見せる。

「じゃあたまたま惑星周期がなんかなっちゃって惑星が一列にならんじゃってビリヤードのように衝いてつながっちゃう団子みたいに!あ、あとパラレルワールドが!」

「何言ってんの?」

お気に召さない。

「じゃあ太陽がなくなって困る異星人がいきなり地球に上陸して地球人に対し説得を始めるとかすげー夢があるすげー!」

「んー」

富樫でありレベルEである。No, No more. Grid it, grid it down!!

「もういいわ。あんがと。キャバ嬢が空から降りてくるendにするわ」

何だよーそれよー。

彼女が思い出したように口を開く。

「あ、明けましておめでとう」

「ああ、明けましておめでとう」

「早く結婚しろよ」

「オメーもな!」

彼女が引き下がりドラムンベースが鳴り止む。敗北の味はマルボロの味だと誰かに教わったような気がするがそれだと私は万年敗北者だ。デヴォン青木が私ににやにやしながら蹴りを入れてくる。膝裏超いてーよ。

新年一発目の難題の答えは、私はbloggerだったのだが、彼女もまたbloggerだったということだ。

 

 

 

2011-12-03

[Ichibu][Fubuku]

あみこみ小道 我孫子市の基地

はにかみ並木 踏み込み君に

少しの油 手に入れた日々

残す雨だけ 空はいらない

 

チョッキンチョッキンナ

ズビズバな 想い出だ 覚えてた?

はみ出した パトロール 頭きた

過去思う

 

ムラケン家の窓から見える ララライ

都部がふぶく

いつの時代も遡ろう 唇に歌をつけよう

いつの時代も遡ろう ダーリン 今夜は何処に行こう

 

意味無く 酒飲み 暴れてた

強けりゃ良いと 思ってた

むかつく奴らを まちぶせした

外道に 眼の色 変えていた

おまわり 見つかり 逃げまわった

あの時はそれで楽しかった

あの時の自分が好きだった

今の 自分は もっと好きさ

 

 

http://youtu.be/-zriXZMAqsg

2011-11-28

[Grand][Theft][Auto][:][Kitakyusyu][City]

(Opening)

 

 

「オイィどういうことだこりゃあよォ」

折尾の町に不穏な声が走る。

「テメェ堅気に迷惑かけんなって散々言ったよなァ!」

「す、すみません!大山さん!」

七三分けで眼鏡を掛けた紺のスーツを着た男が正座をしている男の顔面を横に蹴り飛ばす。鈍い音と共に飛び散る血と歯。

「どうすんだよォこれよォ。ウチで処分できるモンじゃねェだろコラァ、香港との取引はもうなくなってんの知ってんのォ?」

「・・・」

正座していた男がゆっくりと横に倒れる。大山は背広の内ポケットからマルボロを取り出し、すっと一本を右手に納め、左手で百円ライターをズボンの後ろポケットから取り出すと、憤然と火を付けた。一服。

「どうせならさァ、ベンツでも盗ってこいよォ。何なんだこのォ、何て言やいいんだよこれェ」

大山の目の前には、内も外も派手な装飾で飾り付けられた白のワゴンRが。

そしてその奥には森福組と大きく派手に書かれた看板が立派な門に飾り付けてあった。

大山は煙草の煙を取り出しつぶやいた。

「穏便にビジネスさせろよォ、こんな時代なんだからよォ」

黒い革靴で煙草を潰す音が聞こえて消えた。

 

 

「あ?マジっちゃ。ユカのワゴンRが無くなった。黒崎駅のコムシティんとこあるやろ?あそこに路駐しとったんやって。うん、うん。黒崎には無ぇみてえ。全員で工場とかあたった。持ち込まれてもねえってことはさあ、もう海外とか行っちゃってると思う?どうよテッちゃん」

坊主頭にバンダナを巻いた太った男が携帯電話で話しながらロン毛の男を見て返答を促す。

「まず電話切れやキヨシ」

「あああごめんごめん。また掛け直すわ。」

キヨシが急いで携帯電話をしまってロン毛の男を見つめる。

「んーと、ユカちゃんのワゴンRってさ、あのゴテゴテしたヤツ?後ろにウーハー積んだ、いっつも倖田來未の曲ガンガンに鳴らしてる、あの?」

「そうなんよテッちゃん。路駐しとったら盗られてた。で、ほら、ユカかわいいから、鍵つけっぱなしにしちょくのが癖なんよ。しょうがなかねー」

「かわいいのと鍵付けたまんま放置してんのは別だろ?」

「わ、わかっちょうよ」

ロン毛の男はテーブルの上に置いてあるグラスを取り、中のオレンジ色の液体を口に含み飲み込む。

カラン、と氷の崩れる音がした。

「で、俺に何の用?」

「あ、それなんだけどさテッちゃん。テッちゃん昔族だったっしょ?」

「ああ、で?」

「そん時言っとーたやん。仲間のバイクが盗られた話。香港マフィア崩れがちょっぱらってどうだこうだ」

「お前よく覚えてんねーそんな昔の話」

「でさ、なんかそういう盗られたモンがどこに行くか詳しいと思って」

「つーか、警察に頼めば?」

キヨシは坊主頭のバンダナを触りながら下を向く。ロン毛の男はその様子を見て嫌な予感がしていた。

「いやさぁ、乗ってんよね」

「・・・何が?」

「・・・・・・・・・・・・ハッパ」

はぁ、と大きなため息がつかれたのをキヨシは下を向いて聞いていた。ロン毛の男が呆れた顔をしてキヨシを見つめる。

「ま、まだ盗られて一日も経ってなかし大丈夫やと思うんよね」

「何が大丈夫だと思ってんだよバカ。そんなもん乗せてんじゃねえバカ」

「バカバカ言うなよテッちゃん、傷つくだろ・・・」

「しゃあしいなあバカ。どうせ明日には忘れんだろバカ」

「う、た、頼むテッちゃん!」

キヨシは精一杯頭を下げる。緑のバンダナがズレ落ちそうになるのを必死で堪えながら頭を下げ続ける。それを見てロン毛の男は昔を思い出していた。何度か頭を下げられた、学生の頃の思い出が甦る。どいつもこいつも人を頼ってんじゃねえよ。糞みてえな方言使いやがって。ロン毛の男はそう思いつつも、携帯電話を取り出した。

「?」

「待っとけ、ちょっち先輩に電話してみる」

「あ!ありがとうテッちゃん!」

「うるせーバカ黙っとけ」

キヨシはしゅんとなる。ざまあみろ、とロン毛の男は思ってからグラスの中の氷を手で掴み口の中に放り投げた。氷を歯で噛み砕きながら携帯電話を操作する。田口という名前が画面に表示されると、ロン毛の男は嫌な予感を覚えたが、それに構わず発信ボタンを押した。

「・・・・・おお、テツヤ、どうした」

「お久しぶりです田口先輩」

残った氷を飲み込み、止まない嫌な予感を無視しながら、テツヤは用件を話し始めた。

 

 

八幡中央区商店街の一番端、そこから入った路地にはあるスナックがあった。名前はビリジアンという。そのスナックに入るドアの前に茶色のロングコートを着た厳しい表情をする男が立っていた。がちゃり、と、その男がドアを開けると、胸元の開いたドレスを着る女性がそれを迎えた。

「いらっしゃい、あら、城北さん?」

城北と呼ばれた男は軽く微笑を作り「ママ、開けてる?」と聞いた。

「どうぞ。こんな早い時間に来るの城北さんくらいよ」

ママはにこやかに笑いながらカウンターの席を勧める。「ありがとう」と言ってコートを脱ぎ、隣の椅子に雑に置き、城北はゆっくりと丸椅子に腰掛ける。

「何にします?」

ママが手慣れた手つきでコースターとおしぼりをカウンターの上に差し出すと、城北は答えた。

「山崎、ストレートで」

ママはにっこり笑って背中の棚に並ぶ瓶の一つを手に取り、いかにも高そうなグラスに注ぐ。

「どうぞ」

「ありがとう」

城北はグラスに入った茶色の液体を一口口に含んだ。

「仕事はどう?」

城北は飲み干してこう答えた。

「ぼちぼち、かな」

「ふふ、対暴の仕事なんて城北さんにとってはつまらないんじゃない?」

城北はふっと笑って右手に持つグラスを傾ける。

「激戦区だからね、やりがいはあるよ、東京より」

ママは空いているグラスを磨きながら城北の目を真っ直ぐ見つめる。

「なんたって五つもあるんだものね、暴力団」

「広域指定だけでね。物騒な街だと思うよ、ここ」

城北は左手の指先をカウンターにとんとんと突きながら乾いた笑いを見せる。

「そうねえ、昔の方がもうちょっと、物騒だったかしら」

「そうか、ママは知ってるんだったな。昔のこの街」

ママはカウンターの上に白い丸皿に乗ったポテトチップを差し出す。城北がそれをつまんでひょいと口の中に入れる。

「そうねえ、知ってるわよ。特に、炭鉱の亡霊のこととか?」

城北の動きが止まる。それを見てママはにこやかに微笑む。両手をだらんと下に下げた城北は照れた笑いを見せた。

「うーん、ママには敵わないね」

「城北さん知ってるでしょ?わ、た、し、の、こ、と」

「ああ、元KGBだったね、なら、話が早い」

ふふふ、と笑ってママは空いてるグラスに目線を配る。

「その前に」

城北はふっと笑ってつぶやく。

「商売上手だね、相変わらず」

城北は横に置いているコートから薄茶色の封筒を取り出しカウンターの上に置く。ママはそれを見つめると空いてるグラスを指で弾いた。

「白州、ロックで」

「それと?」

ママが促すと城北の表情が険しくなった。

「炭鉱の亡霊の情報を」

 

 

「サカシタ、オマエ、ワカッテイルノカ?」

細い目をした男が黒縁眼鏡を掛けた男に詰め寄る。サカシタは人差し指で眼鏡の縁を一回上げてから答える。

「解ってますよ黄さん。ITベンチャーにいるGeek崩れから資金を集めるんです。あいつらは物を動かせない代わりに人を動かせる技術を持っている。無駄に金がある。無駄に人とつるむ。それをたっぷり利用するんです」

黄は聞き耳を立てながらもサカシタを睨む目を外さない。

「黄さん、時間が掛かるものなんです、人が大量に動いてお金が落ちてくるのって」

サカシタは黄の睨みつける目を全く意に介さない。

「シカシ、アイツラハモウノリキナンダ」

「解ってますよ。団塊の世代以下の連中なんざいくらでも待たせておけばいい。ロートルは待つことだけが取り得でしょう。炭鉱バブルでやった美味しい思いをもう一度経験できる。そのことだけでしがみついてくる亡霊にはそれなりの時間は待ってもらいましょうよ」

「・・・ワカッタ、マタレンラクスル」

黄は振り向いて歩き去ろうとして歩みを止める。

「ワスレルナヨ、ワレワレノコトモ」

サカシタは軽く右手を上げただけだった。黄は足早に歩き去る。小倉井筒屋から商店街に抜ける道をサカシタは歩いていく。

「まあ、亡霊らしく、派手に浄化してあげますけど」

サカシタはそう呟くと横断歩道を渡ろうとして足を止めた。右を向くと猛烈なスピードで飛ばしてくる変に飾り付けた白いワゴンRが走ってくる。サカシタは目の前の赤い信号を確認し止まり、白いワゴンRはサカシタの前を駆け抜けていった。サカシタは何気なく運転席に乗る男を見た。

「?・・・あいつ、確か」

思い出せないもやもやを少しだけ留意して、サカシタは雑踏の中に溶け込み、消えた。

 

 

工事現場に爆発音が鳴り響く時、北九州に潜む者達の地獄が始まる。

2011-11-21

[Saints][Row][3]

俺はPunisherになりたかったんだ。法さえ許してくれるなら、多分道行くブサイク全員ぶっ殺して歓喜のおたけびをあげながら吉野屋の牛丼食ってただろう。正常な殺意さえ許してくれない法なんざあって無いようなもんで、俺の時間さえ奪わないでくれたなら今すぐ日本刀持って飛び出したい気分だ。切り株祭りで血を飛ばしながら、ゲラゲラ笑ってられる人間のどこが異常だと言うんだ?てめえらのちっぽけな領分でSaintsを計ってんじゃねえよ。もともと命が有るか無いかで測られる社会の方が異常だとは誰が知っていることで誰がそれを不正解だと決めた?

てめえらの腐った脳味噌から考えられる全ての事象、そこから脱け出したものを違法と捉える視界の狭さからはとっくに脱却しているんだよ。現れたのは純粋な欲望だ。ガキがおもちゃをぶん投げるような衝動でSaintsは動いている。それがたまらなく素晴らしい。周りのことなんざ興味がねえ。勿論仲間以外の人間の生死なんざどうでもいい。俺達が楽しめればそれでいい。純粋な動機で突き進むSaintsのどこが異常だ?限りなく人間だろう。そんな人間が都市を、社会を作り上げていくんだよ。勘違いどころの騒ぎじゃねえ。てめえらは根本を見逃してんだよ。自分が可愛いがために、見て見ぬ振りをしてつまんねえ生活を酷使していく愚かな死人だ。Deadman Walkingが許されるのは映画の中だけ。考えてる振りをするのは大学生までにしてもらいたいもんだな。

You got the power to let power go.

使えよそれ。飾りじゃねえだろ?

 

2011-11-16

[Filter][Cigarettes][12]

目の前のジジイがぶつぶつとのたまうので、すわ世代闘争か!と思ったがボケてただけだった。死に体はあらゆる体技の中でもっとも厄介なのを武士道で習ったはずだ。日本語を習得していない人間に優しく日本語を教えてあげるようにジジイの前に出て言ってあげる。
「あ、い、う、え、お」
ジジイはきょとんとして繰り返す。
「あ、い、い、え、お」
違う違うと苦い顔をして繰り返す。
「あ、い、う、え、お」
ジジイはコツを掴んだかのように繰り返す。
「亞、囲、胡、慧、嗚」
ああこりゃ漢語が産まれている。それは違うのだが違うとも言い切れないのでジジイの満足げな表情を無視してまた言ってあげる。
「ご、ひゃ、く、え、ん」
するとジジイは履いてたジーンズのポケットをまさぐり五円玉を私に差し出す。通貨の価値基準すらもわからなくなっているジジイに対して俺は何の博愛の心も生まれず、どうしたものかと熟考する。とりあえず俺は財布から五百円を取り出しジジイの手に握らせた。
「これが、ごひゃくえん」
俺がそう言うとジジイは頷くのを繰り返して五百円玉を握り締め俺の前から走り出す。ドラムンベースが流れている。中州大通りに入る境目。目の前のすき家には陰惨な空気が流れているのには間違いが無いだろう。確信したのは店内に突っ走っていくジジイの背中が見えたのだから。おなかがすいていたんだね。俺はぼんやりと幼児性のある言葉を思い、爆裂都市福岡の治安を憂う。

すき家からジジイが出てきたのはお腹一杯になったからだろう。ジジイは悠然と歩きながら俺の前に歩み出る。ジジイの顔から生気が漲っている。先ほどまでのジジイとはまるで別人のジジイがそこにいる。気というものにあてられたのか、忙殺の中ふらついたのか、俺が少したじろぐと、俺の右手とジジイの右手が繋がった。
結果、俺とジジイは握手をした。するとジジイは流暢な日本語で話し始めた。
「人間は物語と事実体験を求めて彷徨う。それが嘘か真かなどどうでもいいのだ。自分が気持ちよく心動かさればそれが真となる。まったくもって糞だ。嘘は全て嫌がられ、中途半端な皮肉だけが好まれる。器量と度量の無さを嘘のせいにして自己肯定ががりがりと作られていくのが人の未来ならば、私はその未来に辿り着かないだろう。たとえ道を踏み外して死んだとしても、私はその道を歩かない」
ジジイはぱっと右手を離し憤然と走り出した。そしてこう叫んだのだ。
「未来はワシらの手の中!」
俺はジジイの背中を見つめながら、あれが老人の知恵だと思い知った。

 

 

2011-11-14

[Battle][Field][3]

ねーねー、戦争したいんだもんね^-^

従って我々はOperation Firestorm (Rush ATT)に投入された。分隊名はThe Boondock Saints。地平に続く石油地帯を我々は疾走し、然るべき手段を講じて6箇所を占領しなければならない。増援が来る望みは薄く、たかだか75人分の命を賭してこの広い石油地帯を制圧しなければならず、この状況には流石に私も気が滅入る。もっと気が滅入るのは、我々の分隊がたった2人しかいないことだ。だからこの分隊名を名付けたのだ。

砂塵まみれたブーツが闊歩する音楽はThe Blood of Cuchulainnである。遥かなるバンジョーが我々を高みに連れて行ってくれるのだが、そんな情緒を気にせず敵陣に突っ込むのはSと呼ばれたベテラン兵だ。彼はかのModern Warfareでの戦いにおいて鬼神の如く戦功をあげた兵士の内の一人である。HeartBeat Sensorで相手の位置を特定し時には突撃、時には篭城を繰り返し敵兵にもっとも恨みを買うこととなった。あまりの制圧攻撃っぷりに敵軍のローカルなBBSに名指してKills List入りしたのは言うまでもあるまい。私は彼を敵に回すことの恐ろしさを知っている。彼のレティクルが敵兵の頭に合わさった時が命の最後だ。ただ、このOperation Firestormでは彼のHeartBeat Sensorは使えない。特殊な電波環境が敵軍のUAVおよびMAVに引っかかることが判明し位置を特定されやすくなっていたからだ。これには軍議での私の発言「いやーほらーアレ、アレさー、ちょっとどころか大分卑怯だからー、一応こっちもモラル守って戦争やってますみたいな?とこあるじゃん?んーそうそう、だからねーダメ。ダメなの。戦争は一応男があこがれちゃうものだからー、エッサエッサ必死こいてナンボだよ?」が大分効いたらしい。

私は愛用のSCAR-HにIRNVを装着して敵兵の位置を時折確認し、裏のルートを確保する役割を自分で決めた。俗に言う裏取り専門である。これには少し性癖が絡む。私は敵兵を後ろから撃つのが凄くスキなので、好きではなくスキなので、スキちゃんなので、あくまでもこれを貫く。Fuckin' Japp!!! 敵兵の罵声が私の耳を通過する。私はニヤニヤしながらRemember Hiroshima.とつぶやく。これの繰り返しだ。敵兵の悔恨の表情が私の脳裏に焼きつく度に、私は何度も勃起する。戦場では常に勃起しているので、味方兵からはCool Electionと呼ばれている。私は常に戦場でこう言い聞かせる。Just like that and erection call blood. その通り、勃起は血を呼ぶのだ。

そんな二人が組む分隊なので大概は敵兵の屍を長い間見ることになる。飛んでは散る、散っては飛ぶ命に美しさなど微塵も無く、そこにはシステマティックなキルレートとScore Per Minutesのみが連ねる。集弾率が高い地域を突っ走る我々こそThe Boondock Saintsの名に相応しい。ほら、Sが撒いたM15地雷に戦車が引っかかった音が聞こえる。ほら、私が仕込んだC4に敵兵が近づき、私が押す起爆スイッチの音が聞こえる。耳をすませば大絶叫と銃声、ダイヤモンドを打ち砕いたかのようなRPGが飛びまくり、爆破爆破の大嵐、そこにある命のどこが美しいというのだ?

我々は病気だ。現代戦闘という病気に侵された愚かで浅ましい人間だ。だが、そういう奴等こそが戦場では一番輝くということを忘れないために、数多の兵士と出会う戦場で我々は全力で殺しに掛かる。

いつか出会えたなら、我々は貴方の血を見ることになるだろう。

決して恨まないで欲しい。人間に血が通っているのは勃起が証明しているから。

 

 

2011-11-08

[House][dust]

ここ最近の日本語ヒップホップを聴いてる。つっても先生から教えてもらったSD Junkstaばっかだけど。気がつくとNitroとかOzroとか昔のヤツを聴きに戻ってしまうので駄目だと思う。そういうのよくないよねー。懐古っつうの?一番の現実逃避がそれだし、心理学でもそれがヤバいってことは証明されてるし、よくある幼児退行なんてその成れの果てだし。クラシックは所詮クラシックだと割り切れなきゃクラブミュージックなんざ聴いてられないのかもしれねえ。最近ふと思う。ウケる。ふと思う、なんて言葉老人が搾り出す言葉だぜ。そういう時流じゃねえってのに。

ドラムンベースばっか聴いてると本当に世俗のことがどうでもよくなる。解脱とはこういう気分なのかって感じ。いやーマジどうでもいいわお前らとか特に。死ぬまでお前らはクズだと思うし、インターネットひとつ見てみてもやっぱりお前らクズだよ。クズ中のクズだと言い切れる。なぜかって言われたら個人的な感覚だと答えてから理由を一つずつあげてみる。だってさ見てみろよ、仕事すら満足にできねえ奴がワイドショーのコメンテーター上がりの言動しかできず、現状を憂い、自ら行動するのを億劫に感じて、それを隠すかのようにライフハックで大満足してんだぜ?モルグもモルグ、死体すら驚いて生き返るくらいのクズっぷり。自分に関係の無い話題に飛びついては離れ飛びついては離れ、蚊が見えない血を追うようにふらふらふらふら、気がついたらおんなじ連中同士かたまってアホ言動のエレクトリカルパレード。現実にいたら関わりたくない連中が電子の海に渦巻いて、それは十年見た中でもやっぱり変わらなかったから、今から百年経ってもこんな感じだろうと容易に推測できるでしょ。いやーよかったよかった。俺はお前らのようなクズじゃなくて。これお前等が好きな選民思想と差別意識だからさー、しょうがないよねーそう言われちゃうのも。どうせ省みないんだからお前ら。自分の行動と言動が周りにどう見られて思われてるかなんて考えないでしょ?頭足りないもんね?死ぬまでやってろ。死んでからもやってろ。クズのサンプル提供ご苦労さん!おっぱいがあればいいんでちゅか?穴さえあればいいんでちゅよね?砂場遊びたのしいでちゅかあ?ギャハハ!